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時間割作成 中学校 初心者ガイド 手順

初めて時間割担当になった中学校教員のための完全ガイド|作り方・手順・コツを徹底解説

コマドリ編集部

「来年度の時間割、お願いできる?」

この一言を受けた瞬間、頭が真っ白になった先生もいるかもしれません。

時間割作成は、学校の中でも特に負担が大きいと言われる業務です。教科担任制の中学校では、教員のスケジュール、特別教室の空き、カリキュラムの要件、生徒の選択科目——膨大な制約条件を全て満たす組み合わせを見つけなければなりません。

しかも、前任者からの引き継ぎが十分でないことも珍しくありません。「去年の時間割のExcelファイルはあるけど、なぜこの配置になっているのかはわからない」という状態からのスタート。不安を感じるのは当然です。

この記事では、初めて時間割担当になった先生が全体像を把握し、見通しを持って作業に取り組めるよう、時間割作成の手順を4つのフェーズに分けて解説します。

時間割作成の全体像: 4つのフェーズ

時間割作成は大きく分けて4つのフェーズで進みます。まずは全体像を把握しましょう。

フェーズ1: 情報収集(制約を集める)

フェーズ2: 基本設計(枠組みを決める)

フェーズ3: 配置・調整(コマを埋める)

フェーズ4: 確認・共有(チェックして完成)

初めての方がやりがちなのは、いきなりフェーズ3(コマを埋める作業)から始めてしまうことです。しかし、フェーズ1と2を丁寧にやるかどうかで、後の作業量が大きく変わります。急がば回れです。


フェーズ1: 情報収集 — 制約を集める

時間割作成の成否は、最初の情報収集で8割決まると言っても過言ではありません。必要な情報が揃っていないまま配置を始めると、後から「実は○○先生は水曜午後NG」と判明して大幅な作り直しが発生します。

多くの学校では、4月1日の新年度開始と同時にヒアリングを始め、1週間で時間割を完成させる必要があります。情報収集に使えるのは1〜2日程度。短期間で制約を漏れなく集めるために、事前に準備できることは済ませておきましょう。

集めるべき情報チェックリスト

教員に関する情報:

  • 各教員の担当教科・担当クラス
  • 非常勤講師の出勤可能曜日・時間帯
  • 各教員のNG時間帯(他校勤務、会議、通院など)
  • 希望時間帯(「できれば月曜午前に集中させたい」など)
  • 部活動顧問としての制約(放課後の練習時間との兼ね合い)

教室・施設に関する情報:

  • 特別教室の一覧と収容可能クラス数(理科室、音楽室、体育館、PC教室など)
  • 特別教室の使用ルール(「体育館は同時に2クラスまで」など)
  • 教室の移動に必要な時間(校舎が離れている場合)

カリキュラムに関する情報:

  • 各学年・クラスの週あたり授業コマ数(教科別)
  • 選択授業がある場合のグループ分け
  • コース制がある場合の時間割構造
  • 学年全体で同一時間に行う授業(学年集会、総合的な学習の時間など)

学校のルール・慣習:

  • 「月曜1限は学年集会」などの固定スケジュール
  • 「体育の後に座学の教科を入れない」などの配慮ルール
  • 「同じ教科を1日に2コマ入れない」などの分散ルール
  • 前年度から引き継がれている暗黙のルール

情報収集のコツ

1. ヒアリングシートを事前に準備しておく

4月1日にすぐ動けるよう、3月中にヒアリングシートのフォーマットを作っておきましょう。「NG時間帯」「希望時間帯」「特別な事情」を記入できる簡単なシートで十分です。新年度初日に配布し、翌日までに回収する段取りにしておけば、情報収集を1〜2日で完了できます。

2. 前年度の時間割と制約リストを入手する

前任者が残した資料があれば、それが最も貴重な情報源です。これは3月中に入手しておけます。前年度の時間割を見ながら「なぜこの配置になっているのか」を推測し、不明点は前任者や学年主任に確認しましょう。

3. 「聞かなければわからない」暗黙のルールを掘り起こす

時間割には、書類には残っていない暗黙のルールが多数存在します。学年主任、教科主任、管理職にもヒアリングし、「うちの学校では昔からこうしている」というルールを洗い出しましょう。ヒアリングシートだけでは出てこない情報なので、口頭での確認も並行して進めます。

暗黙のルールの見落としは、時間割作成でよくある失敗のひとつです。詳しくは「時間割作成でよくある失敗と対策」もあわせてご覧ください。


フェーズ2: 基本設計 — 枠組みを決める

情報が集まったら、時間割の「器」を設計します。個別のコマを配置する前に、全体の構造を決めましょう。

決めるべきこと

1. 時間割の基本構造

  • 1日何コマか(6コマ? 7コマ?)
  • 週5日か6日か
  • 各コマの時間帯(1限: 8:50-9:40 など)

2. 「動かせないコマ」の特定

全ての制約の中から、絶対に動かせないものを先に特定します:

  • 非常勤講師の出勤日に依存する授業
  • 特定の曜日・時間に固定されている行事(学年集会、委員会活動など)
  • 特別教室が1つしかなく、使用時間が限られる授業

これらを先にマッピングすることで、残りの配置作業の「自由度」が見えてきます。

3. 制約の優先順位づけ

集めた制約を3段階に分類しましょう:

優先度分類
絶対制約(違反不可)非常勤講師の出勤日、教室数の物理的制限、教員免許
強い希望(極力守る)教員のNG時間帯、連続授業数の上限、教科の曜日分散
弱い希望(可能なら)「午前中に体育を入れたい」などの個人的希望

全ての制約を同じ重みで扱おうとすると行き詰まります。「絶対に守るもの」と「できれば守りたいもの」を分けておくことで、調整時の判断が楽になります。


フェーズ3: 配置・調整 — コマを埋める

いよいよ、具体的にコマを配置していきます。ここが最も時間がかかるフェーズですが、段階的に進めることで手戻りを最小限にできます。

ステップ1: 動かせないコマを先に配置する

フェーズ2で特定した「動かせないコマ」を最初に配置します。

  • 非常勤講師の授業
  • 学年集会など固定行事
  • 特別教室が必要で、使える時間が限られる授業

ステップ2: 制約が厳しい教員・教科から埋める

次に、制約が多い(=配置の自由度が低い)教員や教科を優先的に配置します。

たとえば、「月・水・金の午前しか出勤できない」教員の授業は、先に入れないと後からでは入る場所がなくなります。

ステップ3: 残りの授業を埋める

ステップ1・2で枠が埋まってくると、残りの授業は「空いている場所に入れていく」作業になります。

この段階で意識すべきことは:

  • 教員の1日の授業負荷が偏っていないか(特定の教員だけ6コマ連続、といった事態を避ける)
  • 同じ教科が同じ日に2コマ入っていないか(生徒にとっての学習バランス)
  • 特別教室の重複がないか

ステップ4: 全体を見渡して微調整する

一通り埋まったら、全体を俯瞰してバランスを確認します。

ただし、ここで注意が必要です。**1箇所を直すと別の箇所が崩れる「手直しの無限ループ」**に陥るリスクがあります。

手直しの連鎖を防ぐ最も効果的な方法は、確定したコマと調整中のコマを明確に分けることです。確定したコマは「もう動かさない」と決めて、調整は未確定のコマだけで行います。

手直しの無限ループの構造と具体的な断ち切り方については、「時間割作成を効率化する5つの方法」で詳しく解説しています。


フェーズ4: 確認・共有 — チェックして完成

配置が完了したら、最終確認を行います。ここを飛ばすと、職員会議で指摘されてやり直しになるリスクがあります。

最終確認チェックリスト

制約違反のチェック:

  • 全教員のNG時間帯が守られているか
  • 非常勤講師の出勤日と一致しているか
  • 特別教室の重複がないか
  • 各教科の週あたりコマ数が正しいか

バランスのチェック:

  • 特定の教員に授業が偏っていないか
  • 各クラスの1日の授業構成に偏りがないか(体育が2コマ連続、など)
  • 曜日ごとの授業バランスは適切か

共有と確認:

  • 完成した時間割を教科主任・学年主任に事前共有する
  • 指摘・修正があれば対応する
  • 職員会議で全教員に共有する

完成版を共有する前のひと手間

いきなり職員会議で共有するのではなく、教科主任や学年主任に先にドラフトを見てもらうことをおすすめします。

全教員の前で「このルール守れてないよ」と指摘されるよりも、事前に少人数でチェックしてもらう方が修正もスムーズに進みます。


初年度を乗り切るための心構え

最後に、初めて時間割担当になった先生に伝えたいことがあります。

完璧を目指さなくていい

初年度から手直しゼロの完璧な時間割を作れる人はいません。ベテランの前任者でさえ、毎年いくつかの修正を経て完成させていたはずです。

「80%の時間割を作って、残り20%を調整で埋める」くらいの気持ちで取り組みましょう。

「来年の自分」のために記録を残す

初年度に最も大変なのは、「何を知っていればよかったか」がわからないことです。

作業中に気づいたこと、ハマった落とし穴、「これは来年も同じだろう」というルールは、その場でメモに残しましょう。このメモが、来年の自分(または次の担当者)にとって最も貴重な引き継ぎ資料になります。

一人で抱え込まない

時間割作成は孤独な作業になりがちですが、一人で全てを抱え込む必要はありません。

  • 教科主任に制約のヒアリングを手伝ってもらう
  • 管理職に「ここまでできたけど、このルールで合っていますか?」と途中経過を共有する
  • 他校の時間割担当と情報交換する

周囲を巻き込むことで、見落としが減り、精神的な負担も軽くなります。


まとめ

初めて時間割担当になった先生のための手順を、4つのフェーズでまとめます:

フェーズやること目安時間
1. 情報収集制約条件を全教員からヒアリング、暗黙のルールを洗い出し1〜2日(4月初日から)
2. 基本設計動かせないコマの特定、制約の優先順位づけ1〜2時間
3. 配置・調整段階的にコマを配置、手直し手作業: 15〜20時間
4. 確認・共有最終チェック、教科主任への事前共有、職員会議2〜3時間

多くの学校では、4月1日の新年度初日からヒアリングを始め、1週目の終わりまでに時間割を完成させます。全工程を約1週間に収めなければなりません。

フェーズ3の「配置・調整」が最も時間がかかる工程です。制約が多い中規模以上の学校では、手作業で15〜20時間以上かかることも珍しくありません。1週間の中にこの作業を収めるには、深夜作業や休日出勤が必要になることもあります。

近年では、制約充足ソルバーを使って数百の制約を同時に処理し、時間割を自動生成する方法もあります。時間割作成システム「コマドリ」では、制約ルールを登録するだけで、約1分で手直しほぼゼロの時間割を自動生成できます。フェーズ3にかかる15〜20時間を大幅に短縮できるので、初年度で不安な方にもおすすめです。

初めての時間割作成は大変ですが、この記事が少しでも見通しを持つ助けになれば幸いです。あなたの時間割づくりを応援しています。


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