4月に配った時間割は、5月にはもう現物と違っています。出張・病欠・学級閉鎖・行事で、毎週なにかしら授業が動くからです。壁に貼った表は正しくないのに、貼り替える手段がないので、変更はホワイトボードの隅と口頭で回っていきます。
クラウド型時間割作成ソフト「コマドリ」は、代打候補の提示から、変更の記録、変更後の1週間の表の配布までを扱います。この記事では手作業の手順と並べて書きます。教務主任・時間割担当の先生を想定し、小学校・中学校・高等学校・中高一貫校が対象です。確定済みの時間割があることが前提で、時間割をこれから組む話ではありません。
授業変更の処理は、3つの仕事に分かれる
ひとまとめに「授業変更の処理」と呼びますが、中身は3つです。
- 決める。休む先生の穴に、誰が入るかを決める
- 記録する。何がどう変わったかを残す
- 配る。変更後の表を、全員が見られるようにする
多くの学校で、この3つが別々の道具に載っています。①は紙の時間割と名簿、②はExcel、③はホワイトボードへの張り出しや、印刷した紙、口頭の回覧です。③はどの学校もなんらかの形でやっています。やらないと現場が回りません。
問題は、道具が違うので①から②へ、②から③へ移すたびに書き写しが発生することです。②の記録と③の配布物が別に育つので、食い違ったときにどちらが正しいのか分からなくなります。
確定前の手直し(コマを動かすと別の場所にルール違反が出る、の繰り返し)は別の話です。そちらは「時間割の手直しが終わらない構造」に書いています。この記事は確定したあとだけを扱います。
① 誰が入るかを、何を見て決めるか
「その時間が空いている先生」は候補の入口です。実際に頼めるかどうかは、次を見ないと決まりません。
- 専門教科が近いか。3年生の数学に、まったく別教科の先生を当てるのは無理がある
- その日すでに何コマ持っているか。空きが1つあっても、その日5コマ持っている先生に6コマ目を頼むのは重い
- 連続授業にならないか。前後と続いて3コマ連続になる配置は避けたい
- 入れ替えたほうが早くないか。同じクラスの別の日のコマと交換すれば、代打を探さなくてよい場合がある
手作業だと、この4つを時間割と名簿を目で往復しながら頭の中で処理します。朝の職員室で、時間の余裕がないときに。
コマドリの授業代打推薦では、休む先生と日付(午前のみなどの範囲も指定可)を選ぶと、穴になるコマごとに候補が並びます。上の4点はスコアに入っていて、専門が近く、その日の授業が少なく、連続にならない先生が上に来ます。同一クラスの2コマを入れ替える案も出ます。
コマドリは代打を立てません。出すのは候補までです。誰に頼むかを決めて声をかけるのは、先生の仕事です。打診のやりとりを記録する機能もありません。
② 何を、どう記録するか
記録できる種別は次のとおりです。
| 種別 | 使う場面 |
|---|---|
| 休講 | そのコマを実施しなかった |
| 実施教科を変更 | 別の教科を実施した(実施した先生も任意で残せる) |
| 実施教員を変更 | 教科はそのまま、担当の先生だけ代わった |
| 入替 | 同じクラスの2コマを交換した |
実務でいちばん多いのは「実施教員を変更」です。数学の時間はそのまま数学で、田中先生の代わりに佐藤先生が入る。休講でも教科変更でもないので、専用の種別があります。
入替は、元のコマと振替先のコマの2件として残ります。1件にしないのは、集計するときに「元のコマでは実施しなかった」「振替先で実施した」の2つが要るからです。
手作業でつまずくのはここです。記録の形と集計の形が違うと、二度手間になります。「金曜3限を休講、月曜5限に振替」と文章でメモしておくと、年度末にもう一度読み解き直すことになります。コマドリでは週グリッドのセルをクリックして種別を選ぶだけで、集計に使える形のまま残ります。記録できるのは編集者です。閲覧者の先生は閲覧だけできます。
③ 変更後の表を、どう配るか
週の成果物は、記録ではなく配った表です。月曜の朝に先生方が見る表が最新になっていれば、「あれ、今日の3限どうなった?」の往復が消えます。
配り方はすでにあります。ホワイトボードに書き出す、印刷して配る、共有フォルダに置く。手間がかかるのは、配る表を作るところです。ホワイトボードなら②の記録を見ながら手で書き写します。Excelで作るなら、確定した時間割のファイルを開いて、その週の分だけコマを動かし、印刷し直します。マスタを直接いじると翌週以降が崩れるので、コピーを作ってから作業します。
コマドリでは、②で記録した時点で変更後の1週間の表ができます。改めて作る操作はありません。
- クラス別・教員別を切り替えられる。特別支援学級の在籍生徒がいる学校では生徒別も出せる
- 祝日、長期休み、行事による休校も反映される
- 実施教員を変更したコマは「田中太郎 → 佐藤花子」とセルに出て、教員別では代わりに入る先生の行に載る
- 印刷は回数制限なし。Excel出力は通常の時間割エクスポートと同じ月次回数を使う
配り方は変わりません。職員室に掲示する、紙で配る、共有フォルダに置く。変わるのは、配る表を作るために書き写す手間がなくなることです。記録と配布物が同じ元をたどるので、「本当の最新」も1か所に決まります。現場の言葉では週案(週の時間割)です。
記録が「数える」につながる
②で残した記録は、年間の授業時数の集計に入ります。休講は実績から引かれ、教科変更はその教科の実績に付き、入替は元コマと振替先で打ち消し合います。「実施教員を変更」は教科が変わらないので、時数は動きません。
集計に使うのは「確定時間割 × 学校カレンダー × 授業変更」の3つです。出欠などの実施記録は使いません。担任の先生に毎日入力してもらう必要はありません。
年度末の集計がどう変わるかは「授業時数の未達リスクを一瞬で把握する」に書いています。
始め方は「確定」から
①②③の画面が使えるのは、時間割を確定してからです。確定前はサンプルで画面のイメージだけ見られます。
確定までの道は2つあります。コマドリで自動生成して確定するか、いま使っている時間割を取り込んで確定するかです。今年度の時間割がすでにExcelや他のソフトにあるなら、エディターで組み直す必要はありません。取り込みは既存のコマ組みを上書きせず、新しいコマ組みとして追加されます。取り込みで何ができるようになるかは「確定した時間割をコマドリに入れると、先生のどんな仕事が進むのか」にあります。
コマドリが扱わないこと
- 代打の打診・依頼・確定。候補を出すところまでです
- 過去の代打回数にもとづく公平な配分。見ているのはその日の負担(持ちコマ数・連続)までで、今年すでに何回代打に入ったかはスコアに入りません
- 入れ替えの玉突き。提案するのは同一クラスの2コマの交換だけで、3コマ以上の連鎖はたどりません
- 出欠・実施記録
- 確定後のマスタ時間割のレイアウト変更。年間の並びそのものを変えるときは、コマ組みから再生成して確定し直します
まとめ
- 毎週の授業変更は「決める、記録する、配る」の3つ。道具が散っていると、移すたびに書き写しが発生する
- 決める材料は空きだけではない。専門、その日の持ちコマ数、連続、入れ替えの可能性まで見る。頼むかどうかを決めて声をかけるのは先生
- 記録は「休講/実施教科を変更/実施教員を変更/入替」の形で、集計に使える形のまま残す
- 記録した時点で変更後の1週間の表ができるので、配る表を書き写す手間が消える。クラス別・教員別で印刷・Excel出力できる
- 記録は年間の授業時数の集計につながる。出欠の入力は要らない
- 使えるのは確定してから。いまある時間割は取り込んで確定できる
手順はヘルプの週の時間割を配る、対応可否は機能・対応リファレンスにあります。
コマドリは、時間割の作成から毎週の授業変更・代打、年間の授業時数管理までを扱うクラウドサービスです。小学校・中学校・高等学校・中高一貫校に対応しています。無料で試せます。
